ここ何年か「無償依頼」のことがよく話題に上りますね。
ほとぼりが冷めたかと思えば、またTwitterとかで炎上したりして、年1回は必ず話題に上っているような気がします。
その度に、
「作業にかかった時間やその技術を得るためにかかった時間分の対価は払うべき!」
のようなコメントが大多数を占めている印象です。
まあそれ自体は僕も肯定的なんですが、でも実際無償依頼でもやりたいと思う相手や案件ってありますよねー。
そんなこんなで、無償で依頼するときに気をつけるべきポイントなどをちょっと考えてみました。
無償依頼をするパターン2つ
まず無償で依頼をするパターンって、大体この2つのどちらかになるんじゃないでしょうか?
- プロじゃないから無償でお願いする
- プロだけど友人だから無償でお願いする
※そもそもでプロとは何だ?って話にもなるので、ここではそれで普段食ってる人のことをプロってことにします。
で、これら1個ずつを見ていきます。
1. プロじゃないから無償でお願いする
同人界隈とかで一番多いのがこのパターンじゃないでしょうか?
絵師さんを例にしたとして、
利益目的で描いてもらうわけじゃないし、頼む相手も普段仕事として絵を描いているわけじゃないからお金は払えない。
このパターンの場合、一番気をつけなくてはいけないのは “その人が普段絵を描いている理由” です。
- ただ単に絵を描くのが好きなのか?
- もしそうなら、どんな絵を描くのが好きなのか?
- たくさんの人に絵を見てもらうことが好きなのか?
- 絵を他人に褒めてもらうのが好きなのか?
ただ単に絵を描くのが好きで、どんな絵でも描いてたら楽しい!なんて人であれば、無償で依頼してもさほど問題にはならないかと思います。
なぜなら「どんな絵でも描きたい」×「絵を描いてほしい」というお互いにwinwinな関係にあるからです。
でも実際は「別にお前が描いてほしい絵なんか描きたくない」人がほとんどでしょう。
であれば「どうすれば無償でも描きたいと思ってもらえるのか?」を考えて、それを提供するのが重要になってきます。
例えばたくさんの人に絵を見てもらいたい人であれば
「有名な◯◯さんのポスターに載せるから、多くの人に見てもらえる」
とかでしょうか。
ただし、それでも「やっぱり描きたい絵ではないから……」ということもあると思うので、その場合はお金が払えない代わりに、この “形の見えない対価” をなるべくたくさん用意するようにしましょう。
それでも断られたら、その人にとっては納得できる対価ではなかったということなので、おとなしく引き下がるようにしましょう。
くれぐれも、こんなにメリットがたくさんあるのに断りやがった、などとSNSに書き込んだりしないように……
ちなみに、あくまで素人にお願いしている以上、プロと同等のクオリティは求めてはいけません。
または仮にプロと同等以上の技術を持っていたとしても、無償でお願いしている以上、その技術を100%発揮してくれることを望むのもお門違いです。
もしプロと同等のクオリティを求めるのであれば、初めからプロに依頼するか、(もしプロと同等以上の技術を持っている人であれば)それ相応の金額を払ってきちんとした「お仕事」として依頼するようにしましょう。
完成した作品を見て「思っていたものと違った……」という場合も、
文句を言うのではなく、無償でやってくれたことに対する感謝の気持ちを最大限に伝えましょう。
感謝されると人は嬉しいものです。
そしてその感謝が、また対価の一部にもなるのです。
2. プロだけど友人だから無償でお願いする
よく“お友達価格”なんて言葉もありますよね。
僕もたまにお友達価格で受けたりします。
本題はこのお友達価格を無料にしてほしいということの是非について。
実際のところ、依頼を受ける側で「友人だからタダでやってあげるよ」という方、意外と少なくないんじゃないでしょうか?
まあ僕がそうなんですが、何となく友人とお金のやり取りをしたくないんですよね。
だから無償でやってあげたり、あまりに時間が掛かるものでもかなり安めにしたりします。
ただ、じゃあそういう人には無償で依頼して良いのか?と訊かれれば答えはNOです。
なぜなら、僕の場合はお金を貰わなかったとしても、代わりに何かしらの対価を貰うようにしているからです。
例えばちょっとお高いご飯を奢ってもらったり、
無償でやる代わりに、自分も次回何かを無償でやってもらうようにしたりしています。
そうすることで結果的に対価を貰ったことになるので、お互いwinwinな関係になれます。
なので、もしお金が払えないようであれば、必ず別の対価を払うようにしましょう。
くれぐれも「無償でやる代わりに、あんたの八百屋の野菜、タダでちょうだい」と言われて「うちの野菜はタダじゃねえ!」なんてことは言わないように。
きっと相手も同じことを思っています。
タダで野菜をあげられないなら、タダで依頼は絶対にするべきではありません。
つまり無償依頼でも別の形で対価を払えばOK?
上の2つのパターンから、別の形で対価を払うことができれば無償で依頼しても良い!ということになります。
ただ、その時に一つ注意しなくてならないことがあります。
それは、人によってモノの価値は様々だということです。
お金は分かりやすいですよね。
10円は10円でしかない。
うまい棒は誰が払っても1本しか買えない。
でもお金以外はそうではありません。
マクドナルドは0円でスマイルを買えますが、
もしスマイル100万円という人がいれば、その人のスマイルは100万円払わないと手に入れることはできません。
このように目に見えないものは人によって価値が違います。
ここが難しいところなんですよね。
たくさんの人に見てもらえるとか、大きな実績になるとか、これを「素敵!」と思う人がいる反面「で?」って感じな人いるので。
結局は交渉次第ということになるでしょう。
まとめ
無償で依頼する側の人は、お金の代わりにどんなメリットを与えられるのかを必ず伝えるようにしましょう。
そうすれば受ける側の人も「自分の作品が価値のないモノとして扱われた!」なんてことにはならず、みんなが幸せになれるんじゃないでしょうか?
おわりっ。
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